ショールーミングとは?問題点やその対策を解説
2025年06月25日
ショールーミングとは?問題点やその対策を解説
「実店舗で商品を確認して購入は価格の安いネットで」という人が増える中、「ショールーミング」という消費行動が注目されるようになってきました。消費者にとっては便利な選択肢である一方、実店舗を運営する事業者にとっては売上機会の損失にもつながりかねない行動でもあります。
特に、オンラインショッピングの急速な普及やコロナ禍による生活様式の変化によって、ショールーミングはますます一般化しています。一方で、ショールーミングとよく似た「ウェブルーミング」という言葉もあり、それぞれの違いやビジネスへの影響を正しく理解することが重要です。
この記事では、ショールーミングの概要や注目されている理由のほか、問題点とその対策についてご紹介します。
ショールーミングとは
ショールーミングとは、消費者が実際の店舗で商品を確認・試用した上で、購入はより安い価格の EC サイトなどで行う購買行動のことです。まるで実店舗を「ショールーム」のように利用することから、このように呼ばれています。
ショールーミングには、いつでも簡単に価格比較ができる環境が整ったことが大きく影響しています。オンライン上でレビューや評価を確認しやすく、消費者が EC サイトでの購入に安心感を持てるようになったことも理由のひとつでしょう。
ウェブルーミングとの違い
ショールーミングと対になる概念として、「ウェブルーミング」があります。ウェブルーミングは、消費者がまずオンラインで商品情報や価格を調べ、実店舗に足を運んで購入するという購買行動です。
ウェブルーミングの場合、購入は実店舗で行われるため、実店舗の売上につながります。商品を実際に手に取って確かめた上で購入できるため、返品リスクが低く、消費者にもメリットがあるでしょう。
ショールーミングは「実店舗で確認してオンラインで購入する行動」、ウェブルーミングは「オンラインで下調べして実店舗で購入する行動」です。どちらも現代の消費者行動を象徴するスタイルですが、事業者側にとっては売上の行き先が大きく異なるため、対応を見極める必要があります。
ショールーミングが注目される背景は?
ショールーミングという行動様式が広く注目されるようになった背景には、現代の消費環境や生活様式の変化があります。ここでは、ショールーミングが注目される理由として、特に大きな 2 つの要因を解説します。
オンラインショッピングの普及
ショールーミングが一般化した最も大きな要因は、インターネットを活用したオンラインショッピングの急速な普及です。特に、スマートフォンの登場によって、消費者は「店舗で商品を見ながら、その場でオンラインの価格比較をする」という行動も簡単にできるようになりました。
オンライン上で価格比較サイトやレビューサイト、公式サイト、EC モールなどが簡単に利用できる今、消費者は商品情報を調べ、最安値で買うことを当然のように行います。実店舗の役割は、体験と確認に特化しつつあり、購入は最もコストパフォーマンスの高い場所でという行動が広まってきました。
また、「送料無料」や「ポイント還元」など、EC サイトならではのメリットがあることも、ショールーミングを後押しする要素となっています。
消費行動の変化
新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛や非接触志向が強まった際、消費者の購買行動にも大きな変化がありました。以前よりもオンラインでの情報収集や購入が習慣化し、事前に調べた上で買うというスタイルが一般化したのです。
このような流れの中で、「店舗では実物を見て確認し、購入はネットで手軽に」というショールーミングは、多くの人にとって自然な行動といえるでしょう。
特に、情報収集能力の高いユーザー層を中心に、こうした消費スタイルは今後も広がると予想されます。
ショールーミングの問題点
ショールーミングは消費者にとって、「実物を確認して、より安く購入できる」というメリットがあります。また、事業者にとっても、商品の品質や実物の魅力を伝える場として、ある程度のメリットは存在します。一方、実店舗を構える小売事業者にとって、ショールーミングは下記のような問題点もあります。
販売機会の減少
ショールーミングの最大の問題点は、実店舗で商品を確認した消費者が、その場ではなく EC サイトなどで購入することによって、実店舗での販売機会が失われる点です。
実店舗の運営にはスタッフの人件費、賃料、在庫管理など、多くの固定費がかかります。にもかかわらず、消費者が購入だけをほかのチャネルで行えば、店舗側は「売上が立たないのにコストだけかかる」という状態に陥ります。
このような状況が続けば、店舗の採算が合わず、最悪の場合は閉店に追い込まれる可能性もあるでしょう。
店頭での手間、顧客対応の負担
ショールーミングを行う消費者は、商品についてスタッフに詳細を尋ねたり、機能を確認したりすることが多くなります。本来であれば購入を前提とした顧客対応の一環ですが、購入が別チャネルで行われる場合、店舗にとっては「無償で説明対応をしている」状態です。
結果として店舗スタッフの対応コストが上がり、リソースの浪費につながることが問題となります。説明やデモにかかる時間が長くなれば、販売機会の損失につながりかねず、対応の負担は無視できません。
利益の減少
価格競争の激化によって利益率が圧迫されることも、ショールーミングがもたらす問題のひとつです。
EC サイトの多くは、実店舗に比べて運営コストが低いため、価格を安く設定できる傾向があります。そのため、消費者は価格差を比較して、実店舗よりオンラインでの購入を選ぶケースが増えているのです。結果として、実店舗側は EC サイトと価格を合わせようとすることで利益を削り、経営を圧迫される懸念があるでしょう。
また、オンライン上には並行輸入品や中古品などの低価格商品も存在し、これらと比較された場合、正規販売店としての価格競争力が低下する可能性もあります。
ショールーミングの対策
ショールーミングによる悪影響を抑え、実店舗の価値を維持・向上させるためには、店舗側の工夫と戦略的な対策が欠かせません。近年では、ショールーミングを逆手に取った販売手法や、オンラインとオフラインを融合させた新たな取り組みが注目されています。
ここでは、代表的なショールーミング対策を 3 つご紹介します。
ショールーミングストアの導入
ショールーミングの対策のひとつとして、ショールーミングストアを導入する方法があります。ショールーミングストアとは、商品を展示・体験してもらうことを主目的とし、購入はオンラインで行ってもらう前提の店舗スタイルです。
ショールーミングストアは在庫を持たずに済むため、店舗運営コストを大幅に削減できます。また、商品情報の説明やブランド体験にリソースを集中させることで、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
アパレルブランドや家電メーカーの中には、実店舗では試着・体験だけを行い、後日 EC サイトで購入してもらうことを前提とした業態にシフトしている企業も増えています。
オムニチャネルの強化
ショールーミング対策として重要なのが、オムニチャネルの強化です。オムニチャネルは、実店舗・EC サイト・アプリ・SNS など、複数の販売チャネルを連携させ、顧客にシームレスな購買体験を提供することです。
オムニチャネルの具体的な施策としては、店舗で商品を確認した顧客が EC サイトで同じ商品を購入できるように案内したり、店舗で購入して自宅へ配送する「オンライン決済+店舗体験」型のサービスを展開したりといったことが挙げられます。
さらに、店舗と EC で共通のポイント制度や在庫情報を共有することで、どのチャネルで購入しても一貫した顧客体験が得られるでしょう。
顧客体験の向上
顧客体験(CX)を向上させることは、ショールーミングの対策として重要です。価格競争だけではなく、店舗でしか得られない価値を提供することが効果的です。
丁寧な接客、専門知識を持ったスタッフの説明、実物を手に取って試せる空間づくりなど、オンラインでは得られない「リアルな体験」を重視することで、店舗の存在価値を高められるでしょう。
また、イベントやワークショップの開催、限定商品の取り扱いなども、その場で買いたくなる動機を生み出す手段として有効です。
ショールーミングは、対策次第で売上を伸ばす好機に
ショールーミングは、現代の消費者の行動スタイルを象徴する購買方法として、広く浸透しつつあります。実店舗で商品を見て確認し、購入はより安く便利なオンラインで行う選択肢は、消費者にとって合理的です。
一方、事業者にとっては、販売機会の損失や利益の圧迫、スタッフ対応の負担増加といった問題点も存在します。放置すれば実店舗の存在意義が薄れ、経営に深刻な影響を与えるかもしれません。
ショールーミングストアの導入やオムニチャネル戦略の強化、顧客体験の向上など、適切な対策を講じることで店舗の価値を高め、売上を伸ばすチャンスに変えることもできます。
デジタルとリアルが融合する今、消費者の行動を正しく理解し、柔軟に対応していくことが、これからの小売業に求められる視点となるでしょう。
ショールーミングによる実店舗の売上減少などの課題には、オンラインとオフラインの連携や顧客体験の向上が有効な対策。そのためには、データ活用やマーケティング戦略の高度化が不可欠です。「Rakuten Marketing Platform(RMP)」なら、ショールーミング時代に最適な顧客分析や販促施策の強化が可能です。
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