OMOとは?メリット・デメリットと実施のポイントを解説

  • EC

2025年01月22日

OMO とは?メリット・デメリットと実施のポイントを解説

OMO は、IT が進展・浸透した現在の日本で重視されているマーケティング用語です。商品やサービスの中身だけで差別化することが難しくなった今、顧客体験の質を高める OMO の展開が、ビジネスの成否に大きく関わってくるでしょう。

今回は、OMO の意味や日本で重視されている理由について解説し、具体的な施策とメリット・デメリットなどについても紹介します。

OMO とはオンラインとオフラインを融合させて行うマーケティングのこと

OMO は、Online Merges with Offline の頭文字を取ったマーケティング用語で、直訳すると「オンラインとオフラインの融合」という意味です。

具体的には、インターネットの世界(オンライン)とリアル店舗(オフライン)の垣根を越えてマーケティング活動を行うことを指します。

OMO の概念は、Google の中国法人の元 CEO が 2017 年に提唱したのが始まりです。近年の中国では、特に都市部において生活やビジネスに IT が浸透しており、タクシーの配車やフードデリバリーなどで OMO にもとづいたサービス提供が広がっています。

Google の中国法人の元 CEO は、OMO を実行するには、下記の条件がそろう必要があると述べています。

< OMO に必要な条件>

・モバイルネットワークの普及:誰もがいつでもネットワークにアクセスできる
・モバイル決済の浸透:どこでもモバイル決済による支払いができる
・高品質かつ低価格のセンサー:顧客の位置や行動をリアルタイムでデータ化できる
・AI の普及:商品・サービスを顧客に届けるまでのプロセスを最適化できる

上記の条件がそろうことで、オンラインとオフラインの常時接続が可能になり、2 つの境界の融合が可能となるのです。

OMO と O2O の違い

OMO に意味が近い言葉に、「O2O」があります。O2O は Online to Offline の頭文字を取った言葉で、インターネット(オンライン)からリアル店舗(オフライン)に送客するための施策を指します。インターネット上でクーポンを提供し、リアル店舗で使ってもらうなどの施策が代表的です。

OMO と O2O の違いは、「オンラインとオフラインが区別されているかどうか」です。O2O ではオンラインとオフラインを明確に区別し、一方通行の形で送客することを目的としますが、OMO ではそうした区別はありません。

OMO は顧客目線を重視し、商品やサービスを通じて質の高い体験を提供することを目指しています。

O2O については、以下の記事もご覧ください。 O2O とは?実施するメリットや主な施策を解説

OMO が重視されている理由

日本は、中国などに比べると OMO は普及していません。ただし、近年はキャッシュレス決済が徐々に普及するとともに、OMO が重視されるようになっています。

OMO が重視されている主な理由は、IT の進展と浸透に伴って消費者の行動が大きく変化していることです。スマートフォンと SNS の普及、EC サイトの増加などによって購買までの行動に変化が起き、企業は商品のみで他社と差別化するのが難しくなりました。

消費者に選ばれるためには、購入の手軽さやアフターサービスに磨きをかけ、他社にはない顧客体験を提供することが求められているのです。

従来、多くの企業は、オフラインをベースとしたマーケティングを行っていましたが、オンラインとオフラインの境界は技術の進展によって曖昧になっています。

今後は、オンラインとオフラインを融合させた OMO を展開し、顧客体験を高めていくことが大切になるでしょう。

OMO の主な施策

OMO を展開するための施策は、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。主な施策は下記のとおりです。

モバイル決済

QR コード(※)などを用いたモバイル決済は、OMO の施策のひとつです。スマートフォン向けの決済アプリを活用すれば、キャンペーンの告知や新商品の提案がオンラインで行えるだけでなく、顧客の購買履歴やどの店舗を利用したかといったデータも取得できます。

これにより、顧客の情報が蓄積され、ライフスタイルや好みに合わせた商品・サービスを提案できるようになるでしょう。

※QR コードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

ポイント・クーポン

OMO を展開する中で、ポイント・クーポンはよく用いられる施策です。スマートフォン向けアプリでポイント・クーポンを利用できるようにすると、顧客は EC サイトと実店舗の両方でポイント・クーポンを使うことができます。

また、来店ポイントを付与する仕組みを導入すれば、顧客の行動分析が可能となり、実店舗の運営に役立てることもできるでしょう。

モバイルオーダー

実店舗に行く前にスマートフォンから注文や決済ができるモバイルオーダーも、OMO の施策のひとつです。

顧客としては、モバイルオーダーを使えば店頭で商品を受け取るだけで買い物が完了するため、とても便利です。企業にとっては、レジ業務の効率化につながるだけでなく、顧客情報を蓄積・活用できるメリットがあります。

テーブルオーダー

テーブルオーダーは、実店舗のテーブルに設置された端末から顧客がオーダーを送信するシステムです。企業は店舗スタッフの業務負担を軽減できるほか、注文内容に応じたレコメンドを表示するといった展開ができ、顧客満足度の向上も期待できます。

チャットボット

AI を活用し、顧客への質問応答や対話を自動化できるチャットボットも、OMO の施策のひとつです。

顧客は、商品・サービスに関する疑問を解消できて満足感が高まり、企業としては顧客の疑問や困り事に関するデータを蓄積できます。これらは、新たな商品・サービスの開発に役立てることができるでしょう。

OMO を実施するメリット

OMO を実施すると、企業はさまざまなメリットを得られます。主なメリットは下記のとおりです。

高精度の顧客データを蓄積できる

高精度の顧客データを蓄積できることは、OMO を実施する大きなメリットです。蓄積した顧客データは、顧客の好みに応じた商品・サービスの提案や、新しい商品・サービスの開発にもつなげることができます。

なお、顧客データを OMO の推進に役立てるには、データ同士をきちんと連携させることが大切です。購入履歴やそれにもとづいたおすすめ商品の情報、在庫情報などを組み合わせることで、顧客が求める商品を、求めるタイミングで提供できるでしょう。

機会損失を減らせる

OMO を実施することには、機会損失を減らせるメリットもあります。オンライン(EC サイト)とオフライン(実店舗)を融合させれば、顧客は買いたい商品・サービスを購入しやすくなるからです。

顧客が、店頭で並ぶのが苦手という理由で別の店舗に行ってしまうケースは少なくありません。こうした機会損失は、モバイルオーダーで減らすことが可能です。

また、チャットボットで顧客の疑問に答えることも、顧客が離れてしまうのを防止できる有効な施策といえます。

顧客満足度の向上を期待できる

OMO を実施することで、顧客満足度の向上を期待できます。モバイルオーダーやテーブルオーダーは顧客の負担を軽減し、チャットボットは顧客の疑問や不安を解消することが可能です。

また、OMO は顧客のお買い物体験を向上させ、満足度を高めることにつながります。ひいては、企業に対する顧客の信頼や愛着を育て、リピーターを増やすことにもつながるでしょう。

OMO を実施するデメリット

OMO には、メリットだけでなくデメリットもあります。OMO を実施する際には、メリットだけではなくデメリットについても理解しておきましょう。

短期的な成果は見込みにくい

OMO を実施しても、短期的な成果は見込めません。OMO の成果とは、顧客の信頼を育て、ファンになってもらうこと。そのためには、顧客データを蓄積・分析し、顧客満足度を高める商品・サービスの提供につなげていかなくてはならず、一定の時間が必要です。

OMO を展開するにあたってはその点を留意し、長期的に取り組んでいく必要があります。

コストや技術のハードルが高い

コストや技術のハードルが高いことも、OMO のデメリットです。OMO はデータの蓄積・分析が重要になるため、多くのデータを保存できるデータベースや分析ツールを導入する必要があります。

さらに、それらをリアルタイムで連携させなくてはならず、システムを運用するには大きなコストと技術が必要です。

業種によっては展開が難しい

OMO は、オンラインとオフラインの両方でビジネスをする企業にとって有効なマーケティング施策です。EC サイトのみ、実店舗のみといった業態の場合は展開できません。

OMO の強みは、オンラインとオフラインで接点を作り、双方を融合させることで顧客体験を向上できる点にあります。片方しか接点がない場合は、別のマーケティング施策を検討することが必要です。

OMO を実施する際のポイント

OMO を実施する際には、押さえておきたい大切なポイントがあります。主なポイントは下記の 3 つです。

常に顧客視点で検討する

OMO を実施する際は、常に顧客視点で施策を検討することが大切です。スマートフォンやモバイル決済が普及した今、商品・サービスを購入する場所がオンラインであるかオフラインであるかは、顧客にとってあまり重要ではありません。

オンラインとオフラインを区別してマーケティング施策を検討することは、徐々に時代に合わなくなってきているといえるでしょう。

実店舗で見つけた商品を、帰宅途中にクーポンが使えるアプリで購入するといったケースは増えています。顧客の多くは、オンラインとオフラインの双方で商品・サービスの情報に接し、最も便利な方法で購入しています。

オンラインとオフラインでビジネスを展開している企業は、顧客の行動のこうした変化を踏まえ、常に顧客視点でマーケティング施策を検討することが大切です。

長期的に取り組む

長期的に取り組むことも、OMO を実施する際の重要なポイントです。前述のとおり、OMO は顧客データを蓄積・分析して施策に反映し、顧客との良好な関係を築いていくことを目指すもので、短期的な成果創出は見込めません。

顧客データを分析して顧客が求めていることを理解し、それを提供できる仕組みを構築するには、一定の時間が必要です。そのように、粘り強く取り組むことで顧客と良好な関係を構築でき、結果として大きな成果につながるでしょう。

オンラインとオフラインのデータを統合する

OMO を実施する際には、顧客の属性や購入履歴のほか、商品の在庫状況、店舗情報といったオンラインとオフラインのデータを統合することが大切です。

例えば、EC サイトで獲得したポイントが実店舗で使えない状態だと、顧客は不便に感じて利用頻度が落ちてしまうかもしれません。ポイントが EC サイトと実店舗の両方で使えれば、そのような事態にはならず、顧客満足度の向上を期待できます。

データを連携し、オンラインとオフラインを統合させるには一定のリソースとコストが必要ですが、ぜひ積極的に取り組んでください。

顧客視点の OMO でビジネスを前進させよう

スマートフォンの普及や EC サイトの増加などによって、消費者の購買行動は大きく変化しています。こうした中、「オンラインとオフラインの融合」を意味する OMO が、企業のマーケティング活動において注目されています。

OMO を実施するには一定のコストがかかり、腰を据えて長期的に取り組まなくてはなりません。しかし、粘り強く取り組めば精度の高い顧客データを蓄積でき、顧客満足度の向上につながる施策に反映させることができます。

その過程で大切なのが、常に顧客視点で考えることです。顧客視点の OMO を展開し、ビジネスの前進につなげましょう。

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