CXとは?注目されている理由や成功のポイントを解説

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2025年09月24日

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?注目の理由やポイントを解説

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、商品やサービスを通じて顧客に提供される体験や価値のことです。近年、消費者の購買行動の変化やSNSの普及などにより、カスタマーエクスペリエンスの重要性がいっそう高まっています。

この記事では、カスタマーエクスペリエンスの基本的な意味から注目されている理由、カスタマーエクスペリエンスを向上させるためのポイント、具体的な手順などを解説します。

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは

カスタマーエクスペリエンス(CX)はCustomer Experienceの頭文字を取った言葉で、商品・サービスの価格や機能だけでなく、接客、アフターフォローなどを含む、顧客に提供するさまざまな価値のことです。日本語では「顧客体験価値」や「顧客経験価値」と訳されます。

CXは、顧客とのタッチポイントを通じて提供されるのが一般的です。具体的には、Webサイト、Web広告、リアル店舗での接客、商品提供後のアフターフォローなどが該当します。

こうしたタッチポイントを通じて顧客に良質なカスタマーエクスペリエンスを提供し続けることで、顧客からの信頼度や愛着の向上、ロイヤルカスタマーの獲得などにつながっていきます。

カスタマーエクスペリエンス(CX)と混同しやすい言葉

カスタマーエクスペリエンス(CX)には、混同しやすい言葉があるため注意しましょう。混同しやすい言葉は、主に下記の2つです。

UX

UXはUser Experienceの頭文字を取った言葉で、ユーザーが商品やサービスを使用する際の体験や利便性を指します。

カスタマーエクスペリエンス(CX)が、企業が顧客とのタッチポイントで提供する総合的な価値を指すのに対し、UXは商品やサービスの具体的な使用体験を意味するのが大きな違いです。Webサイトやアプリの操作感、デザインの印象などが、UXにあたります。

CS

CSはCustomer Satisfactionの頭文字を取った言葉で、「顧客満足度」という意味です。商品・サービスを購入し、体験した後に顧客が得る満足度を指します。

商品・サービスのメニューの豊富さのほか、価格、アフターフォローなどを通じて得られる総合的な体験価値がカスタマーエクスペリエンス(CX)に該当するのに対し、CSはそれら一つひとつの満足度を意味します。良質なカスタマーエクスペリエンスを提供し続ければ、CSの向上が期待できるでしょう。

カスタマーエクスペリエンス(CX)が注目されている理由

近年、多くの企業がカスタマーエクスペリエンス(CX)に注目し、顧客により良いカスタマーエクスペリエンスを提供するべく取り組んでいます。注目されている主な理由について、詳しく見ていきましょう。

顧客の購買行動が変化しているから

カスタマーエクスペリエンス(CX)が注目されている理由のひとつに、顧客の購買行動の変化があります。かつては商品やサービスの品質や価格が購買の判断基準でしたが、市場の成熟によって、一定以上の品質を持った商品やサービスが簡単に手に入るようになると、モノよりもそれを通じて得られる「コト(価値)」が重視されるようになりました。

価格や品質だけでなく、購入時の体験、アフターフォローなどを通じて得られる体験価値が大切にされるようになり、カスタマーエクスペリエンスの重要性が増しています。

SNSと口コミの重要性が高まっているから

SNSや、オンラインの口コミの重要性が高まっていることも、カスタマーエクスペリエンス(CX)が注目される理由です。SNSの普及や口コミが増加し、これらの影響力は拡大しています。こうした状況下では、良質なカスタマーエクスペリエンスを提供し、SNSや口コミで良い評判を獲得することが重要です。

反対に、良質なカスタマーエクスペリエンスを提供できなければ、SNSや口コミでネガティブな情報が拡散し、新規顧客やリピーターの獲得が難しくなるでしょう。

継続して選ばれることが大切になっているから

企業は顧客に継続して選ばれることが大切であり、その意味でもカスタマーエクスペリエンス(CX)は重要です。市場における競争は激しさを増しており、その中で企業が成長していくには、顧客に選ばれ続けなくてはなりません。

良質なカスタマーエクスペリエンスの提供を通じて顧客満足度を高めていけば、顧客のロイヤルティが強化され、リピーターを増やしていくことができます。

データ活用の技術が向上しているから

データ活用の技術が向上していることも、企業がカスタマーエクスペリエンス(CX)に注目している要因です。顧客データの収集・分析は、テクノロジーの進展によってより高度に行えるようになり、顧客のニーズが以前に比べて把握しやすくなりました。

顧客ニーズに適切に応え、ビジネス成長の力とするために、多くの企業がカスタマーエクスペリエンスに力を注いでいます。

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に取り組むメリット

市場の成熟により、機能や性能、費用で、商品やサービスを差別化することが難しくなってきました。そこで、差別化するための要素として注目されているのがカスタマーエクスペリエンス(CX)です。

ここでは、カスタマーエクスペリエンスの向上に取り組むことで、得られるメリットを具体的に紹介します。

ブランディングを推進できる

カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させると、顧客はブランドに対して好印象を持ちやすくなり、ブランド価値が向上します。ブランド価値の向上は、企業と商品・サービスの独自性を高め、長期にわたり選び続けてくれるファンの獲得にもつながるでしょう。カスタマーエクスペリエンスの向上はブランディングを推進し、企業としての成長を支える大きな力となります。

顧客満足度の向上が期待できる

顧客満足度の向上が期待できることも、カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に取り組むメリットです。商品・サービスの品質や店舗での接客、商品提供後のアフターフォローなどを通じて良質なカスタマーエクスペリエンスを提供すると、顧客の満足度が向上します。高い満足感を得た顧客は、リピーターになる可能性が高まります。そのため、カスタマーエクスペリエンスの向上は、企業にとって重要な取り組みといえるでしょう。

新たな顧客を獲得できる

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に取り組むと、新たな顧客の獲得が期待できます。満足した顧客がSNSやレビューサイトを通じて体験を発信するUGC(User Generated Content)は、他の潜在顧客に対して強力な訴求力を持っています。そのため、UGCが増えることで、商品・サービスの魅力が潜在顧客に届き、新規顧客の獲得につながる可能性が高まるでしょう。

競合との差別化が図れる

競合との差別化が図れることも、カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に取り組むメリットです。市場での競争が激化する中、商品・サービスだけで競合と差をつけるのは困難です。商品・サービスが魅力的であるだけではなく、提供する際の接客、提供後のフォローが充実していることにより、顧客は再び自社の商品・サービスを選びたくなるでしょう。競合にはない魅力を顧客に感じてもらうには、カスタマーエクスペリエンスを磨き続けることが大切です。

カスタマーエクスペリエンス(CX)の分類

コロンビア大学ビジネススクールのバーンド・H・シュミット教授は、カスタマーエクスペリエンス(CX)を高める心理的・感情的な価値を、以下の5つに分類しています。

タイプ 体験
SENSE(感覚) 視覚・聴覚・触覚など五感に訴える体験 パッケージデザインの美しさ・サイトの視認性・店舗の香りや音楽
FEEL(情緒) 喜び・安心・感動といった感情に訴える体験 カスタマーサポートの対応・ブランドが持つストーリー性
THINK(創造や認知) 知的好奇心や問題解決への意識を刺激する体験 有益なコンテンツの提供・新しい視点を与えるプロモーション
ACT(行動やライフスタイル) 行動やライフスタイルに影響を与える体験 健康志向を促す商品・日常生活をより便利にするサービス
RELATE(社会) 社会とのつながりを意識した体験 サステナブルな取り組み・社会貢献活動

上記のような分類を理解することで、企業はカスタマーエクスペリエンスをより深く理解し、顧客満足度を高めるための戦略を立てることができるでしょう。

カスタマーエクスペリエンス向上の成功事例

カスタマーエクスペリエンス(CX)を重視し、顧客との関係性を深めながら成果を上げている企業は少なくありません。ここでは、国内外で注目される3社の成功事例を紹介します。各社の取り組みから、自社に活かせるヒントを探ってみましょう。

スターバックス

スターバックスは、カスタマーエクスペリエンス(CX)を「スターバックス体験」と名付け、向上に取り組み、業績を伸ばし続けています。

スターバックス体験は「PRODUCTS(商品)」「PARTNERS(従業員の接客)」「STORE PORTFOLIOS(居心地のよい空間)」の3つの要素で構成され、例えばPRODUCTSはスターバックスでしか購入できない商品を指します。シーズンごとに発表される新商品などがこれにあたるでしょう。

最近では、顧客の「店頭が混雑している」「長蛇の列ができており購入しにくい」などの声を受け、スマートフォンアプリからの注文・決済により、レジで並ばずに商品を受け取れる「モバイルオーダー&ペイ」を導入しました。また、パートナー(従業員)が提供するカスタマーエクスペリエンスが最も重要であると考え、そのために研修やモバイルオーダー&ペイのようなシステム導入など、さまざまな取り組みを行っていることも特徴です。

ソニー損害保険:チャット対応で安心を提供

ソニー損害保険は、2015年にCXデザイン部を新設し、全社をあげて顧客体験・顧客価値の向上を目指しています。同社の顧客満足度は90%以上を維持していますが、調査の結果、一定数の顧客が「特に理由はない」「他社への変更が面倒」といった、消極的な理由でソニー損害保険を選んでいることがわかりました。

そこで、同社は顧客のロイヤルティを測定する指標であるNPS®(ネットプロモータースコア)の向上を目標のひとつに設定し、「顧客体験の最適化による顧客価値の向上」を全社的なミッションに掲げました。NPSの継続的な計測の結果、自社に都合のいい情報以外の積極的な提供、ネガティブな評価も含めて口コミの全件掲載などを行い、同社を信頼できるか、顧客の判断にゆだねる取り組みを行っています。

結果として、顧客が同社の良い情報・悪い情報すべてを理解した上で、「ソニー損害保険」を選んでもらうことに成功し、増収増益傾向にあります。顧客ファーストで行った取り組みが、結果的に業績にプラスになった好例です。

カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるためのポイント

カスタマーエクスペリエンス(CX)を効果的に向上させるためには、単なる部分最適ではなく、企業全体で顧客体験を捉える視点が求められます。ここでは、実践的かつ継続的にカスタマーエクスペリエンスを改善していくためのポイントを解説します。

カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上にまず重要なのが、顧客がどのような経路で自社の商品やサービスと接触するのかを可視化することです。カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客が体験する各フェーズ(認知→比較→購入→利用→共有)での課題や感情の変化を把握できます。

カスタマージャーニーマップによって課題となる部分が把握しやすくなり、カスタマーエクスペリエンスの質を高める改善策が明確になるでしょう。

顧客データの活用

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上には、顧客の行動・属性・感情に関するデータ活用が不可欠です。

楽天では「Rakuten Marketing Platform」などを活用することで、楽天市場・楽天ポイントなどの購買行動データをもとに、精度の高い顧客分析が可能です。顧客個々の分析によって、パーソナライズされた体験が提供できます。

組織全体が連携して取り組む

カスタマーエクスペリエンス(CX)は、マーケティング部門だけで完結するものではありません。営業、開発、カスタマーサポート、物流など、あらゆる部門が連携し、一貫した体験を提供する必要があります。そのほかにも、サポート部門のフィードバックを開発に活かすなど、部門横断の取り組みが重要です。

顧客目線でDXを推進する

デジタルトランスフォーメーション(DX)は業務効率化だけでなく、カスタマーエクスペリエンス(CX)向上の手段としても活用できます。オンライン接客やチャットボット、セルフサービス機能の充実など、顧客のストレスを減らすデジタル施策が求められます。DXの目的を「顧客にとっての価値」に置くことが成功のカギです。

ツールを活用する

カスタマーエクスペリエンス(CX)の設計・実行・測定には、専用のツールを導入することが効果的です。

楽天が提供する「オムニチャネルカスタマーエクスペリエンス」サービスでは、顧客とのタッチポイントを可視化し、最適な体験設計を支援しています。ツールを活用することで、属人的な対応から脱却し、再現性のあるカスタマーエクスペリエンス(CX)を実現できます。

カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させる手順

カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるには、複数のステップを踏んでいく必要があります。具体的には、下記のような手順で進めていくのがおすすめです。

1.顧客の情報を収集する

カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるための第一歩は、顧客の情報をできるだけ多く収集することです。顧客の属性や購買履歴、カスタマーセンターに寄せられた反応のほか、アンケート、インタビューも必要に応じて行って、顧客の声を集めてください。

タッチポイントでの顧客の反応を集め、データ化することによって、カスタマーエクスペリエンスを向上させるための基盤が整います。

2.顧客のニーズを分析・理解する

データを収集したら、次は顧客が求める価値やサービスの内容を分析し、顧客の期待に応えられるように理解を深めます。

具体的には、前述したカスタマージャーニーマップを作成し、タッチポイントにおける顧客の課題やニーズを整理してください。ニーズを正しく理解することによって、カスタマーエクスペリエンスを適切に向上していけるでしょう。

3.商品・サービスを改善する

顧客のニーズを把握したら、そのニーズにもとづいて商品・サービスを改善します。このステップでは、カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に向けて部門間で協力し、カスタマージャーニーマップを適切に更新していくことが大切です。商品・サービスの利便性を向上させるだけでなく、顧客に合わせてパーソナライズさせていくことも重要です。

4.改善を継続する

商品・サービスを改善したら、それを顧客に提供し、さらに改善を重ねていってください。カスタマーエクスペリエンス(CX)は、一度の改善で向上するものではありません。顧客のニーズや市場環境は変化するため、定期的な見直しと改善を繰り返すことが、継続的にカスタマーエクスペリエンスを向上させるためのポイントとなります。

カスタマーエクスペリエンス(CX)を測定する指標

カスタマーエクスペリエンス(CX)の改善には、定性的な観察だけでなく、数値的な指標による評価が欠かせません。ここでは、企業がカスタマーエクスペリエンスを測定・改善する上でよく使われる2つの指標を紹介します。

NPS®(Net Promoter Score)

NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客のロイヤルティを測定する指標です。「この商品・サービスを友人や同僚に勧めたいと思いますか?」と質問された顧客が、0〜10のスコアで評価します。なお、評価されたスコアにより、NPSは以下の3つに分類されます。

<NPSの分類>

9〜10:推奨者(Promoters)
7〜8:中立者(Passives)
0〜6:批判者(Detractors)

NPSは「推奨者の割合−批判者の割合」で算出され、数値が高いほど顧客からの信頼や満足度が高いことを示します。カスタマーエクスペリエンス(CX)全体の評価として企業間での比較にも使われる国際的な指標です。

NPSについては、下記の記事をご覧ください。

NPS とは?導入のメリットや上手に活用するポイントを解説

CSAT(Customer Satisfaction Score)

CSATは、特定の接点や体験に対する「満足度」を直接測定する指標です。「この対応に満足しましたか?」などの設問に対して、5段階や10段階などのリッカート尺度で回答を得るのが一般的です。

CSATは具体的な施策やサービス改善の効果測定に適しており、短期的なフィードバックを得るのに有効です。NPSと併用することで、カスタマーエクスペリエンス(CX)の全体像と局所的な体験の両方を可視化できます。

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上が、ビジネス前進の近道

顧客体験価値を意味するカスタマーエクスペリエンス(CX)は、商品・サービスの価格や機能のほか、接客、アフターフォローなどを通じて顧客に提供されます。顧客の購買行動が変化し、データ活用の技術が向上している今、顧客から選ばれ続けるためには、カスタマーエクスペリエンスをさまざまな指標を使って可視化し、改善していくことが大切です。

カスタマーエクスペリエンスを向上させると、自社のブランディング推進だけでなく、顧客満足度の向上、新規顧客の獲得といったメリットが得られます。

データを活用してカスタマーエクスペリエンスで顧客満足度を可視化するためには、以下のようなサービスの利用がおすすめです。

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カスタマーエクスペリエンスの向上は、ビジネス前進の近道です。カスタマーエクスペリエンスを積極的かつ適切に向上させ、企業の成長の力にしていきましょう。

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