カスタマーサクセスとは?役割や業務内容、設定すべきKPIについて
2024年12月11日
カスタマーサクセスとは?役割や業務内容、設定すべき KPI について
カスタマーサクセスは、顧客の成功を通じて自社の利益を最大化するという考え方や、そのための取り組みのことです。サブスクリプションモデルが増加した現在のビジネスにおいて、カスタマーサクセスはなくてはならない存在となりました。ただし、具体的にどのような業務を行うのか、何をもってカスタマーサクセスの成功とするのか、あまり理解できていない人もいるようです。
今回はカスタマーサクセスの役割や具体的な業務内容、カスタマーサポートとの違い、設定すべき KPI などについて解説します。
顧客の成功をサポートするカスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、自社の製品やサービスを通じて顧客の成功を支援し、自社の利益の最大化を目指す営業活動の一種です。製品やサービスの導入支援から、顧客のビジネスの成功に向けた戦略立案、活用状況のヒアリングなどといった業務内容があります。
カスタマーサクセスは運用代行のように作業を肩代わりするのではなく、顧客の伴走者として顧客の成功へ導くことが目的です。その過程で、解約を防いで継続利用を促し、顧客満足度の向上を図りながら、アップセルやクロスセルなどで売上の拡大を目指します。
昨今主流となっているサブスクリプション型のビジネスの場合、顧客は製品やサービスの理由を通じて成果が得られなければ、すぐに解約を検討します。カスタマーサクセスが能動的にコミュニケーションをとり、適切な利用法や活用法を伝えて解約を防止することが重要になっています。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスと混同されやすいものに、「カスタマーサポート」があります。いずれも購入・契約後の顧客をサポートする取り組みや、それに対応するチームを指しますが、姿勢や目的などに違いがあります。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
| カスタマーサクセス | カスタマーサポート | |
|---|---|---|
| 姿勢 | 能動的 | 受動的 |
| 目的 | 顧客の成功 | 顧客の不満解消 |
| 顧客との関係 | 継続 | 単発 |
| 企業内の位置 | プロフィットセンター | コストセンター |
カスタマーサクセスの場合、起点は製品やサービスを提供した瞬間であり、そこから能動的に活動を始めます。顧客の成功を目的として継続的に関わり、企業内では直接利益を生むプロフィットセンターの位置づけです。
それに対しカスタマーサポートの活動は、顧客からの問い合わせやクレームなどが起点となります。顧客の疑問や不満を解消することを目的とし、関わり方は基本的に単発です。組織内では直接の利益は生まず、製品やサービスの販売に必要なコストセンターの位置づけになります。
カスタマーサクセスが注目される背景
デジタルの進化から、ユーザーの消費行動は「所有」から「利用」に変化しつつあります。従来の「買い切り型」ではなく、必要なときに必要なだけ利用する「サブスクリプション型」が主流となり、ユーザーはさまざまな選択肢から自由に製品やサービスを選ぶことができるようになりました。
サブスクリプション型はユーザーにとって、比較的安価に製品やサービスが利用できるとともに、ウェブ上で簡単に申込や変更ができるメリットがあります。期待した価値が得られないと感じたらすぐに解約しやすい点も、ユーザーにとってメリットでしょう。
サブスクリプション型は、企業にとっても長期的・安定的な利益を得やすい、成約率が高いといったメリットがありますが、それは顧客が継続利用する前提で成り立つものです。そのため、提供する企業側は、顧客の状況に合わせて継続的に価値を感じてもらうための、カスタマーサクセスの取り組みが重要視されています。
また、新規開拓の難しさも、カスタマーサクセスが注目される理由のひとつです。ユーザー自身が能動的に情報収集を行うことが当然となり、市場の成熟で製品やサービス自体での差別化が難しくなり、新規顧客の開拓コストは年々増加しています。そうした時代に、顧客に付加価値を感じてもらう方法として、カスタマーサクセスが重要視されているのです。
カスタマーサクセスの具体的な業務内容
顧客の成功をサポートするといっても、具体的にどのようなことを行うのか、理解しにくいかもしれません。カスタマーサクセスの業務内容は下記のようなことです。
導入と活用の支援
顧客が製品やサービスをスムーズに導入し、早期に機能や操作方法を理解できるようにサポートすることは、カスタマーサクセスの重要な業務のひとつです。初期設定の支援や操作のレクチャーなどを行い、顧客が利用に慣れてきたら、ビジネス上の課題解決に活用できるように支援していきます。
セミナーを開催し、顧客課題に合わせた製品やサービスの活用方法の紹介などを行い、その際に顧客の疑問や活用方法などもヒアリングすることで、関係を深めていく場合もあります。
利用状況のモニタリング
顧客がサービスを利用する頻度や時間をモニタリングし、活用度合いを分析します。その上で、どのようなサポートをしていくのか検討を行います。
利用頻度が少ない顧客がいる場合は、使いにくい箇所やわからない箇所があるのかヒアリングを行ってレクチャーすると、継続利用を促すことにつながるでしょう。頻繁に活用している機能がある場合は、顧客の二―ズをさらに探ってアップセルやクロスセルの提案を行う場合もあります。
顧客ニーズとフィードバックの収集
顧客からのニーズやフィードバックを集めることもカスタマーサクセスの業務です。顧客とのコミュニケーションや、アンケートなどで収集します。
ニーズやフィードバックを収集することで顧客の個別のサポートに活かせますし、分析することで製品やサービスの新規開発や改善にも活かすことができるでしょう。
顧客のビジネスごとの戦略策定
顧客のビジネスモデルや課題、目標を理解した上で、戦略を策定することはカスタマーサクセスの重要な業務です。顧客のゴールを明確に定め、それに対しての KPI の設定や製品やサービスをどのように利用していくかの提案などを行います。
一度設定して終わりではなく、定期的に顧客とのミーティングやヒアリングを行って成果や進捗を確認し、戦略内容は調整します。
ヘルススコアチェック
ヘルススコアとは、顧客がサービスを継続利用するか数値化したものです。具体的なヘルススコアの指標は、製品やサービスの利用頻度やアンケートの回答内容、セミナーへの参加有無などが挙げられるでしょう。
ヘルススコアが高い顧客は継続利用の可能性が高いですが、低い顧客は解約の懸念があるとして、個別のフォローを行う必要があります。カスタマーサクセスとして優先対応すべき顧客の把握することにつながるため、定期的にヘルススコアをチェックすることが重要です。
カスタマーサクセスの役割とメリット

カスタマーサクセスが行うべき役割や、取り組むメリットには以下のようなものがあります。
LTV 向上
LTV(Life Time Value)とは、顧客生涯価値のことです。顧客との取引開始から終了までに得られる総額を指す指標で、サブスクリプション型の場合は、月額費用と継続月数の掛け合わせに初期費用などを合計した金額が LTV にあたります。
カスタマーサクセスによって継続月数が伸びれば、また、アップセルやクロスセルによって月額費用の増加できれば、LTV の最大化が期待できるでしょう。
CX 向上
CX(Customer Experience)は顧客体験を指し、問い合わせや担当者とのやり取り、製品やサービスの利用など、企業との接点で生まれる体験すべてが CX です。CX の高い顧客は、企業へ好感情を持っており、リピート率や継続率が高くなる傾向があるため、CX の向上は売上の拡大に欠かせません。
カスタマーサクセスが導入や利用促進、顧客の成功のためのパーソナライズした情報の発信などを通じて顧客と関わることで、CX の向上が期待できます。
PMF 達成
PMF(Product Market Fit)とは、製品やサービスが顧客を満足させられるものであり、それが適切な顧客や市場に提供できていることを指します。
営業活動を拡大していくと、顧客の規模感や製品やサービスに対するニーズ、抱える課題なども変わっていくでしょう。そういった中で、顧客に満足してもらうためには、カスタマーサクセスによるサポートが重要です。顧客にとって製品やサービスがどのような価値を生むのかを伝え続け、またコミュニケーションの中で得られた意見を製品やサービスに活かしていくことで、PMF は達成に近づきます。
CAC 削減
CAC(Customer Acquisition Cost)とは、新規顧客一人(一社)あたりの獲得にかかった費用を指します。CAC を低く抑えられれば、営業効率が良いということです。
新規顧客の獲得は企業の成長のためになくてはならないものですが、獲得コストは年々上がっています。カスタマーサクセスは直接新規顧客の獲得に関わるわけではありません。しかし、既存顧客から事例を集めて営業コンテンツの作成を行う、良い口コミを拡散させるなど、間接的に CAC の削減に寄与できます。
解約阻止
サブスクリプション型のビジネスの場合は特に、顧客に製品やサービスを継続利用してもらわなければ、企業が安定的に収益を得ることができません。そのため、解約を阻止することはカスタマーサクセスの重要な役割でしょう。
製品やサービスの契約を解約されるのは、見込んだ成果が得られなかったときと、成果が料金に見合わないときではないでしょうか。カスタマーサクセスは自社の製品やサービスを利用して企業が成果を得られるようにサポートし、また、どのようなベネフィットが得られるのか顧客に継続的に伝えていく必要があります。
カスタマーサクセスの KPI
カスタマーサクセスを導入し運用していくにあたり、どのような KPI を設定していいかわからないという企業は少なくありません。KPI は Key Performance Indicator の略で、重要業績評価指標と訳されます。ビジネスの最終目標における達成度合いを評価するための指標で、中間目標と考えていいでしょう。ここでは、カスタマーサクセスでよく KPI に設定される指標をご紹介します。
LTV
前述した LTV は、カスタマーサクセスで重要な指標です。LTV を計算する方法はいくつかありますが、顧客すべての平均値をもとに LTV を算出するためには、以下の計算式が使われます。
LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間
購入単価が高い、つまりアップセルやクロスセルで顧客単価が高まったとき、購買頻度が高まった、つまり継続的に購入しているとき、LTV が高いということになるでしょう。
サブスクリプション型の場合は、LTV を計算する際に以下のような計算式が用いられる場合もあります。
LTV=平均購入単価÷チャーンレート
チャーンレート
チャーンレートは解約率や退会率などと訳され、サブスクリプション型のビジネスの場合は特に注視すべき指標です。チャーンレートにはいくつか種類がありますが、顧客数をベースとする「カスタマーチャーンレート」と、収益をベースにする「レベニューチャーンレート」の 2 つがよく使われます。
カスタマーチャーンレート=当月の解約顧客数÷前月末時点の契約顧客数×100
レベニューチャーンレート=当月に解約やプラン変更に伴って失われた収益÷前月の月次収益×100
NPSⓇ
NPS(Net Promoter Score)は製品やサービスに対する信頼や愛着を示す、顧客ロイヤルティを測る指標です。企業や製品・サービスの推奨度をスコア化したもので、「〇〇(企業や製品・サービス)を親しい友人や知人にどれだけすすめたいと思うか」などという顧客アンケートで算出します。
すすめたい度合いを 0 ~ 10 点で評価してもらい、0 ~ 6 点を「批判者」、7 ~8点を「中立者」、9 ~ 10 点を「推奨者」と分類し、以下の計算式に当てはめて計算します。
NPS=「推奨者の割合(%)」-「批判者の割合(%)」
アップセル率・クロスセル率
アップセルは既存顧客がより高価格・高機能な製品やサービスへ移行することで、クロスセルは利用している製品やサービスと関連したものも契約することです。
アップセルやクロスセルをする顧客が、顧客全体に占める割合をアップセル率・クロスセル率といい、アップセル率・クロスセル率が高ければ顧客単価が高まり、LTV が上昇します。
アップセル率=アップセルした顧客数÷全顧客
クロスセル率=クロスセルした顧客数÷全顧客
カスタマーサクセスで顧客も自社も成功する
サブスクリプション型のビジネスが主流になった現代のビジネスにおいて、カスタマーサクセスはなくてはならない存在になっています。業務内容は多岐にわたり、取り組みは簡単なことではありませんが、カスタマーサクセスは自社にも顧客にもさまざまなメリットをもたらします。
カスタマーサクセスの「顧客の成功の支援が自社に利益をもたらす」という考え方は、ビジネスの基本ともいえるものです。カスタマーサクセスに取り込んで、顧客の成功とともに自社の成功を目指しましょう。
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