注目されるBDRとは?重要性やSDRとの違い、実践の流れを解説

  • 情報通信

2024年12月11日

注目される BDR とは?重要性や SDR との違い、実践の流れを解説

昨今の顧客ニーズの変化や IT の進化、非対面の営業活動の普及などから、インサイドセールスの重要性が増しています。その中でも注目されているのが BDR です。

BDR は「攻めのインサイドセールス」ともいわれており、大手企業を開拓する重要なポジションといえるでしょう。

今回は BDR について、同じくインサイドセールスの手法である SDR との違いや重要性のほか、実践の流れについて解説します。

アウトバウンド型のインサイドセールス手法である BDR

BDR(Business Development Representative)とは、アウトバウンド型のインサイドセールス手法のことです。これまで接点のないターゲットに対し、電話やメール、DM などを活用して、非対面でアプローチを行います。

BDR でターゲットとするのは、大企業や官庁や地方公共団体といった、いわゆるエンタープライズです。

新規顧客の開拓は、従来「飛び込み」や「テレアポ」のようなアウトバウンド営業が行われてきました。ただし、これらは費やす労力の割に成功率が低く、非効率とされるようになっています。

しかし、新規開拓は企業の成長のために必要不可欠であり、企業や商材への認知や興味がない層に対しては、アウトバウンド営業が今でも有効な手法です。

そこで、より効率的な営業手法として BDR が生み出されました。BDR のターゲットは、自社を認知しておらず、購買意欲も低い潜在層です。潜在層と一から関係構築を目指すため、商談化までには時間がかかり、難度も低くありません。

そのため、BDR では収益性の高いエンタープライズの中から、自社の商材に親和性のあるターゲットを戦略的に絞ることが重要となるでしょう。

インサイドセールスについては、以下の記事もご覧ください。

インサイドセールスとは?基礎知識やメリット、成功のポイントを解説

BDR と SDR との違い

インサイドセールスの手法を細分化すると、BDR のほかに SDR(Sales Development Representative)があります。

SDR は SMB(Small to Medium Business:中小企業)をターゲットに、インバウンド型(PULL 型、反響型)のインサイドセールスを行います。ホワイトペーパーや営業資料のダウンロード、ウェブサイトの問い合わせ、展示会・ウェビナーなど、マーケティング施策で接点を持ったリード(見込客)にアプローチし、商談の機会を創出するのが目的です。

SDR の場合、みずからアクションを起こして接点を持った見込客をターゲットとするため、購買意欲が高く、成約まで短いという特徴があります。

反面、大きな金額は動きづらいという特徴もあり、商材や企業規模などにもよりますが、BDR と組み合わせて実施することが重要です。

なぜ BDR は重要なのか?

働き方改革や人手不足など理由はいくつかありますが、BDR が注目を集める理由のひとつに、SaaS 市場の拡大が挙げられるでしょう。

SaaS のビジネスモデルは、月額性のサブスクリプションです。継続的で安定した収益が得られやすい反面、一顧客あたりの収益は少ないというデメリットがあります。

元々日本では、SMB 市場が小さく、開拓には限界があり、SaaS ビジネスが停滞期に入った場合は、SMB だけを相手にしていては企業が成長できません。

また、エンタープライズ戦略の重要性が増していることも、BDR が重要視される理由です。売上が限定的な SMB に対し、エンタープライズは従業員数が多く、取引数が少なくても十分で安定的な収益が見込めるでしょう。

さらに、事業規模が大きいため、1 つの部門で成約できれば、そこからアップセルや横展開などの可能性もあります。

このような理由から、エンタープライズにターゲットを絞って積極的にアプローチする BDR が、企業の成長のカギとして、年々重要性が増しているのです。

BDR を実践する流れ

企業が BDR を導入する際、どのようにすればいいのでしょうか。ここでは、BDR を導入して成果を出すための流れをご紹介します。

1.目的や方針の明確化

まずは、なぜ BDR を導入するのか、目的を明確にしておきます。BDR は中長期的に取り組む施策であり、求められる知識やスキルは SDR とは異なります。目的が明確でないと、成果が出るまでに意義を失って、中途半端に終わってしまいかねません。

また、BDR は中長期的にアプローチを行うため、投資価値のある企業を選定することが重要です。どういった企業が開拓できれば自社の事業成長につながるのか、難度はどのくらいか、選定した企業にはどういったアプローチをしていくか、議論を重ねて基本方針を決めましょう。

2.ターゲットの選定・調査

BDR ではターゲットの選定が重要であり、企業規模やエリアなどのターゲットセグメントをしっかり見定めなければなりません。また、それに対して自社の商材を適切にアピールし、確実に認知してもらうことが重要です。

既存顧客の中から LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の高い顧客セグメントを調査し、業種や部門、収益の幅、継続利用の可能性などからターゲット像を絞り込みましょう。

3.ターゲットの決済フローや組織図などの把握

絞り込んだターゲット像から実際のターゲットを定め、決済フローや決裁者、組織図などを把握しましょう。

エンタープライズは決済フローや組織図が複雑で、承認までのステップが長期にわたる傾向があります。決裁者以外にアプローチしても、成約まで進むには時間がかかるため、BDR では決裁者と関係構築することが成功のカギをにぎるのです。

決済者が組織内でどのような立場にあり、どのような情報を有益と感じるのか、可能な限り調べておいてください。

4.アプローチ

基本方針に従って、絞り込んだターゲットにアプローチします。ターゲットによって、電話では接点を持てなくても、メールや DM では可能という場合もありますので、さまざまなアプローチを行うべきです。

嫌悪感や不信感を持たれない頻度を保ち、ターゲットが興味関心を持てる方法を探りましょう。

5.ヒアリングと情報提供

ターゲットと接点を持つことができたら、ヒアリングと情報提供を行います。接点を持てても、ターゲットのニーズが顕在化しているとは限りません。目的は商談ではなく成約ですから、焦って商談化せずにヒアリングと情報提供を重ねて信頼関係を構築します。

単なる「役立つ情報」の提供ではなく、1to1 のコミュニケーションを心掛けましょう。ヒアリングの内容のほか、ターゲット企業の IR 情報や決算情報、企業予想などのデータを参考にすることをおすすめします。

6.ニーズが顕在化した時点で商談化

中長期的に情報提供やヒアリングを続け、ターゲットのニーズが顕在化した時点で商談化します。

これまでに良好な関係を築けている場合は、ニーズが高まった状態で商談に入れば成約率は高いはずです。ターゲットが競合他社に流れないよう、適切なタイミングを見計らってください。

7.アップセルと横展開

成約後はアップセルやクロスセルのチャンスを狙ったり、同一企業・グループ内での横展開を目指したりするのも BDR の役割です。

エンタープライズは部門やグループ企業が多いため、関係を継続させていくことで、別部門やグループ企業の決裁者を紹介してもらえる可能性があるでしょう。

BDR のために理解しておきたい ABM

BDR の成功のために役立つのが ABM(Account Based Marketing)です。ABM は具体的な企業(アカウント)をターゲットに絞り込み、その企業に適したアプローチを行うマーケティングの考え方を指します。

BtoB、特にエンタープライズを相手としたビジネスに有効とされているため、BDR を進める上でぜひ理解しておきたい考え方です。

ABM の場合、非対面のアプローチに限りませんが、基本的な実践方法は BDR と変わりません。既存の顧客から LTV が高い層を発見し、分析することでターゲット像を絞り込み、決裁者に対して有益な情報を提供して関係を構築します。

最近では、MA や SFA、CRM など、ABM のために必要なツールも数多くあるため、活用することをおすすめします。

企業の成長のために、BDR を成功させよう

新規顧客獲得のコストは年々上がり、最近では既存顧客との継続に注力する企業が増えています。しかし、企業が成長していくためには、新規顧客の開拓が欠かせません。

BDR はすぐに成果が上がるものではなく、難度も高いですが、安定して長期的な収益が見込める新規顧客の獲得に有効な手法です。BDR を実践して、企業の成長を目指しましょう。

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